8月22日の朝、私の母は自ら命を絶ちました。 様々な憶測が飛び交っているようなので、少しここでお話をさせてください。 彼女はとても長い間、精神の病に苦しめられていました。 その性質上、本人の意志で治療を受けることは非常に難しく、家族としてどうしたらいいのか、 何が彼女のために一番良いのか、ずっと悩んでいました。 幼い頃から、母の病気が進行していくのを見ていました。 症状の悪化とともに、家族も含め人間に対する不信感は増す一方で、 現実と妄想の区別が曖昧になり、彼女は自身の感情や行動のコントロールを失っていきました。 私はただ翻弄されるばかりで、何も出来ませんでした。 母が長年の苦しみから解放されたことを願う反面、彼女の最後の行為は、 あまりに悲しく、後悔の念が募るばかりです。 誤解されることの多い彼女でしたが… とても怖がりのくせに鼻っ柱が強く、 正義感にあふれ、笑うことが大好きで、頭の回転が早くて、子供のように衝動的で危うく、 おっちょこちょいで放っておけない、誰よりもかわいらしい人でした。 悲しい記憶が多いのに、母を思う時心に浮かぶのは、笑っている彼女です。 母の娘であることを誇りに思います。彼女に出会えたことに感謝の気持ちでいっぱいです。 沢山の暖かいお言葉を頂き、多くの人に支えられていることを実感しています。 ありがとうございました。 25年8月26日 宇多田ヒカル